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株式会社設立の際の検討事項
 株式会社を設立する際には検討しておかなければならないことがあります。それは何
 かというと会社の機関設計です。会社の機関設計によって、会社がどのように運営さ
 れていくのかが決まります。ですので設立時に今後のことを見据えて、慎重に考えて
 おく必要があります。
 それでは一緒に考えていきましょう!

 <機関ってなに?>
  会社の機関とは、簡単に言うと「会社を運営するための組織」です。
  例えば、よく聞く「株主総会」や「取締役会」なんかが会社の機関です。取締役1人で
  は取締役会ではもちろんありませんが、株主総会は株主が全部で1人でも株主総会
  となります。ちょっと変な感じがしますが、そうなっています。

  以下に会社の機関について表にしてみました。わかりやすくするため、大企業向けの
  機関は省略してあります。
株式会社の主な機関
株主総会 株主で構成されます。株式会社の最高意思決定機関といわれ、取締
役や監査役の選任・解任や、株式会社の組織・運営・管理等に関する
重要な事項を決定する機関です。
取締役  株式会社の業務を執行する機関です。
取締役会 取締役3人以上で構成されます。代表取締役の選任や重要な経営方
針などについての意思決定を行う機関です。
代表取締役 業務執行に関する取締役会の意思決定を執行する機関です。
監査役 取締役の職務執行や会社の会計を監督する機関です。会社の経営が
適正に行われているかどうかをチェックするのが監査役の役目です。
監査役会 監査役3人以上(うち半数以上は社外監査役)で構成され、監査方針の
決定や監査報告の作成などを行う機関です。
会計監査 新会社法であたらしくできました。取締役と共同して計算書類などの作
成を行う機関です。会計参与になれる資格は、税理士(税理士法人)、
公認会計士(監査法人)のみです。

 <機関設計のルール>
  従来は株式会社の機関は「株主総会」「取締役会」「取締役」「監査役」と決まっていま
  した。しかし、新会社法では会社の実態や規模に合わせて柔軟な機関設計ができる
  ようになりました。
株式会社の機関 新旧比較
旧制度 新会社法
株主総会 必ず設置 必ず設置
取締役 3人以上。必ず設置 最低1人は必ず設置
取締役会 必ず設置 譲渡制限会社では任意設置。それ以外では必ず設置。(取締役会は取締役3人以上で構成)
監査役 必ず設置 譲渡制限会社では任意設置。ただし、取締役会を設置する会社は原則設置
取締役の任期 2年 原則2年。但し、譲渡制限会社では、定款でそれぞれ10年まで延ばすことができる。
監査役の任期 4年 原則4年。但し、譲渡制限会社では、定款でそれぞれ10年まで延ばすことができる。
 <役員の任期を決める>
  それでは役員の任期についてみてみましょう。従来は株式会社の取締役の任期は2
  年、監査役の任期は4年となっていました。
  先の表を見てお分かりの通り、新会社法では役員任期の規定が大きく変わり、株式
  譲渡制限会社では取締役・監査役の任期を定款の定めにより最長で10年まで延長
  することができるようになりました。
  
  ・株式譲渡制限会社・・・すべての株式の譲渡を制限している会社のことです。(一部
                 の株式の譲渡を制限している会社は、株式譲渡制限会社に
                 はなりません。)
  ・譲渡制限株式・・・その株式を譲渡しようとする場合には、会社の承認が必要なこと
              を定款で定めた株式のことです。譲渡を承認する機関は、原則と
              して、取締役会を設置していない会社では株主総会、取締役会
              設置会社では、原則として取締役会となります。
  取締役の数 取締役の任期 監査役の数 監査役の任期
株式譲渡制限会社 取締役会非設置 1名以上 最長10年まで 任意 最長10年まで
取締役会設置 3名以上 最長10年まで 1名以上 最長10年まで
公開会社 3名以上 2年 1名以上 4年
  ※公開会社・・・発行する全部又は一部の株式について、譲渡制限をしていない会
           社のことです。

  それでは実際に任期の決め方はどうしたらよいでしょうか?
  場合分けして見てみましょう。

  @自分1人で出資し、自分1人で取締役(社長)になり事業を展開する場合
     この場合は、取締役の任期を最長の10年で定款に記載しておくのがよいでしょ
     う。 役員の重任登記の手間も省け、費用もおさえられます。
     ※重任登記とは、役員の退任・就任登記を同時にする登記です。役員が違う人
      物に代わる場合は退任と就任の登記の両方が必要なのですが、同一人物の
      場合はこれを同時にすることができます。今回の場合は2つの登記を1回です
      るから費用が抑えられるというよりは、任期を長く設定した結果、重任登記の
      回数を少なくすることによって費用をおさえようというものです。

  A自分以外の誰かを取締役もしくは監査役に加える場合
    この場合は、よく考えてから任期を規定しておくほうがよいでしょう。事業をしてい
    く中では意見の相違も出てくるかも知れません。任期の途中で役員を解任するこ
    とは、正当な理由がないとできません。仮に、強引に株主の権限で解任した場合
    に、損害賠償請求されることも考えられます。

  このように、任期を10年にしたほうがいい場合とそうでない場合があるということを
  ふまえて検討されることをオススメします。

  それでは、実際に機関設計を考えてみましょう!
                             →早速相談する!という方はコチラから
 <実践!機関設計(その1)>
  まずは、従来に有限会社に近いパターンです。実質的に家族経営に近い会社組織を
  お考えなら、このパターンがオススメです。
<家族経営型>
機関設計 株主総会、取締役
取締役の人数 1名
取締役の任期 10年
その他 定款で株式譲渡制限をした株式譲渡制限会社を選択
  このパターンの機関設計は、取締役(社長)が経営をすべて取り仕切ることのできる
  会社組織です。まずは小さなビジネスからスタートしようとお考えの方に、最も適して
  いるといえます。

 <実践!機関設計(その2)>
  次は、合議制にして独りよがりな会社経営にならないような組織をお考えならこのパ
  ターンがオススメです。
<企業経営型>
機関設計 株主総会、取締役、取締役会、監査役
取締役の人数 3名以上
監査役の人数 1名以上
取締役の任期 2〜10年
監査役の任期 4〜10年
その他 定款で株式譲渡制限をした株式譲渡制限会社を選択
  このパターンは、会社の意思決定を取締役会で行う会社組織です。ご自分が中心と
  なって会社を立ち上げる場合でも、有能なパートナーを経営に参加させることができ
  ます。合議制なので多様な意見交換ができ、社長の独りよがりな経営に陥らない運
  営ができます。

  この2つが典型的なパターンです。実際には、まだまだ考えられます。実情に合わせ
  て考えましょう!
                                  →相談するという方はコチラから


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                                      〒532-0003
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